天極楽如月が12月本公演「虐待の国のサラ」をもちまして、俳優としての活動を引退いたします。
私たちの思いは天極楽と共にあります。
以下のご挨拶をどうぞお読みいただければと思います。


私、天極楽如月は、TremendousCircus12月本公演「虐待の国のサラ」をもちまして、俳優としての活動を引退します。
この決断は勢いで決めたものではなく、長い時間をかけて自分と向き合い、悩み、考え抜いた末に出した、わたし自身の意思によるものです。

2年前の活動休止以降、自分の精神と肉体の状態を見つめ直す中で、演劇そのものが学生時代に自分が経験した様々なトラウマと深く結びついていることに気付きました。

トレメンドスに入って初めて「自分を大切にする」という概念がインプットされて、学生時代から自分を大切にしながら演劇をしたことが一度もなかったわたしは、自分を大切にしながら演劇をすることが困難で、演劇そのものがトラウマの原因になってしまってる以上どうしても矛盾を感じて、パニックのあまり死が脳内によぎる瞬間があるほど、限りなく不可能になってしまいました。

わたしはトレメンドスが、劇団員が、ミリタントの皆のことが、単なる同じ目的のもとに集う同志とか関係なく、人として心から大好きです。
トレメンドスに入団できたことも皆と出会えたことも本当に奇跡のように思っていて、今世でお別れなのがどうしようもなく寂しくて来世もそのまた来世もずっとみんなといたいと心から思うほど、皆のことがとにかく、とにかく、とにかく大好きで、大切で。
トラウマの根源がトレメンドスではないからこそどうしようもなく苦しくて、大切な皆に迷惑をかけて困らせたくなくて、この引退という決断が本当に最適なのか何度も何度も迷いました。

わたしは無理することが当たり前になっているので、無理をすればきっとこの先も俳優としての活動を続けられるけれど、死がよぎる以上、学生時代に亡くなった母の背中を追うために、母の止まった年齢をわたしが超えてしまう前に、いつか本当に死を選んでしまいそうで。
でもわたしは叶うならずっと、母の止まった年齢を超えた先も、大好きな皆と生き続けたいので、死なないために引退を決断しました。

俳優は引退しますが、退団はしません。
今後はカウンセリングと治療を続けながら、公演当日のスタッフなど、これまでとは少し違う形で劇団に関わらせていただきます。

「虐待の国のサラ」は4年前に初めてトレメンドスのオーディションを受けた作品であり、当時中止になってしまった悔いが残っていること、何よりも劇団員やミリタントに対して後出しで曖昧に終わらせるのではなく、区切りをつけて誠実な形で引退をするため、俳優としての最後の公演として出演させていただきます。

天極楽如月としての最後のわがままをどうかお許しください。
サラが終わった後もみんなと共に生き続けていくこと、絶対に死なないことをここに約束します。

TremendousCircus 天極楽如月