フランケンシュタインの終演のご挨拶をなかなか書けずにおりました。
兎に角今年はペトルーシュカに始まり、スケジュールが非常にタイトで
うちの劇団は芝居はF1であると、常にアクセルを踏み続けるんですが
フランケンシュタインは特に音楽が生でも入ったり、怪物の声と体を分離して舞踏と仮面で表現したり
サロメ終演から2ヶ月しか無かったのに新作で2時間半の上演時間と
本当に攻めまくりました。
死ぬほど疲れたし、何が起きてるのかわからないぐらいだったんですが
なかなか好評をいただいて
演じている我々としては味わう暇もなかったので
終わって大の字で寝転がって
なんか面白い芝居だった気がする、と
ぼんやりしていたら日が経ちました汗

フランケンシュタインのテーマは私の中では孤独だったんですけど
演じる時は孤独ではいられないんです
基本的には芝居は一人では演じられない
誰かに、届けるんです。
お客さんはきっと、私たちに対してなんの力にもなってないかもしれないとか
思っていらっしゃるかもしれないんですが、
今回の芝居は特に
泣いてくださったお客さまとかの
顔をダイレクトに思い浮かべて演じていました。

俳優が物語を媒介し、お客様の心の中で、芝居は完成するんです。
孤独であっても、孤独なもの達同士が、暑い砂漠を、凍てつく雪原を、おぼつかない足取りでそれでも歩き続けているのだと
一人ではないのだと、祈りを込めて演じました。

少しでも皆さんの力になれたならこれ以上嬉しいことはありません。
みんな孤独な怪物です。
生きることにしたなら、世界を切り裂く雄叫びを、皆で上げましょう。
ご来場心よりありがとうございました。

脚本、演出、怪物の声 en