「女吸血鬼カーミラ」終演致しました。
一歩進んだと思ったら二歩戻ったり、三歩進んだらスタートに戻ったり、舞台をやっていると、生きているとそういうことがあります。
その間に体はボロボロになっていき
高いジャンプも加速も出来なくなる。
手にした技術と、固くなる脳。
登ろうとする山は高く、人は山を登れぬことを笑い、登るべき山なのかと問います。
◆
けれど
山を登ると約束した、力尽きた友がいて
私たちが山を登ることを
祈ってくださるお客様「あなた」がいて
◆
劇団の作品は終演というより、続く感じがします。
雪白姫で一旦閉じた扉が、また女吸血鬼カーミラで開き、次はサロメで開きます。
私たちはサバトの夜に
血塗れの手を伸ばし
逃げておいでと呼び掛ける死の天使
◆
支離滅裂な言葉を綴ってしまって
あまり公式の終演のご挨拶にはそぐわないものとなってしまいました。
いつも、死力を尽くします。
またお会いできるのを心より楽しみにしています。
作・演出 田中円