トレメンドスサーカスは、ゴシック&ロリータを着て、爆音のダークミュージックと共に、暗黒童話・怪奇幻想などを題材に、耽美派で頽廃的・中性的な、人の心の痛みを叫ぶ熱い演劇を創る、東京の劇団です。

『19842022』劇団員よりご挨拶

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『19842022』劇団員よりご挨拶

ご挨拶 演出/知乃

この国は、誰が弱者のことを考えてくれてるでしょう。
どんなマニフェストも利益が透けて見えて、心から弱者を救いたいと思っている政治家はどれだけいるでしょうか。私はフェミニストですが、自問する意味でフェミニストにとっての理想の国とはなんでしょうか。
政治家が男女同数になったら、給与格差がなくなったら…。憤ることは日々沢山あります。私の母は翌日の朝ごはんを買うお金がなくなったことで父との離婚を当時決めたそうです。文字通り明日を生きるお金に必死な人間がいる中で、憤ること嘆く事以外に何ができるでしょうか。
理想を考えるというのは、社会の末席居る人間にとっては惨めなことです。理想の国家を考えるということは夢を見る事で、夢とは叶わないものだから、自分の人生がこのまま終わりゆくのだと知って惨めにならない人なんていません。
自論ですが、悲しい時でも苦しい時でもなく、惨めな瞬間に人は死ぬのだと思っています。
少なくとも私は、演劇ができていて、暖かい布団で眠り、次の日のご飯は食べれます。悲しいこともあるけど惨めではありません。そういうどこにでもいる当たり前の人間が、連帯して理想の社会について考える、理想の国家を真っ向から考える向き合う作品にしたいです。惨めに生きる人間がどうしたらいなくなるのかを考えながら、みんな辛いけど、自分より辛い生活をしてる人間のために。社会で惨めなが思いをする人がいなくなるように、芝居を作るのだと、座組み全体で踏ん張るように、取り組んでゆきたいです。

ご挨拶 音楽/Dee Lee

こんにちは。トレメンドスのビッグ・ブラザー(兄貴)です。
今回はまさかのビッグ・ブラザー本人が音楽を作る「19842022」ですよ!

さて、今回の原作1984にあなたが関わるべき理由をお話したいと思います。

iPhoneでおなじみのAppleが初代Macを発表したのが1984年で、その時のCMがまさしく今回の「1984」の原作のオマージュでした。
独裁者ビッグ・ブラザーの演説を映し出すスクリーンめがけて、革命家がハンマーを叩きつけ「1984年は “1984”のようにはならない。」とメッセージを出すんですが、今もYoutubeで見れるのでチェックしてみてください。

原作「1984」が発表された1949年は「ソ連が核兵器の開発に成功」「中華人民共和国が成立」など、作中の舞台となる国家オセアニアのような共産主義・全体主義国家が躍進を遂げた年でもあります。これらの国々と対立するアメリカ(及び西欧・日本)にとっては、作中の国家体制やビッグ・ブラザーの指導する思想は、現実的に差し迫った恐怖そのものだったのです。
実際にこういった思想を世界中に伝搬させないために、朝鮮半島やベトナムで戦争が起こったり、両陣営の核開発競争が激化したり、モスクワオリンピックで資本主義陣営の国々がボイコットしたりしたのです。AppleがCMを打った現実世界の1984年においても、その対立構造は続いていました。
90年代に入るとソ連の崩壊という形で冷戦は終結しますが、「全体主義やっぱりだめ。自由バンザイ!」みたいな形で、この小説は再評価されることになります。

ところが2022年を迎えようとする今はどうでしょう?
あらゆる情報が想像を絶する速度で広まり、巨大な企業群が一括で管理。それをさらに国家が介入している現実。
新型コロナウイルスとの戦いで「自由よりも私権の制限を選ぶべき」という声。言葉の抹殺により消される真実。激しさを増す同調圧力。
皆さんも体感してませんか?
そして、そもそも日本の社会ってそんなに自由でしたっけ?

そう、この作品は、今生きているあなたにこそ表現してほしいのです。
とてつもなくスケールの大きい作品ですが、その世界にあなたは間違いなくいるのです。
トレメンドス史上最もスケールの大きい作品、間違いなく音楽はハリウッド映画かよ!?みたくなります。

Big brother is watching you.

ご挨拶 俳優/田中愛恵

ごきげんよう、劇団員の田中愛恵です。

僭越ながら、私からも挨拶をさせていただきます。
なぜかと言いますと、私は歴史が好きで、それに付随した政治思想や哲学思想などが好きだからです。
まあ世界史の点数そこまで良くは無かったんですけどね。あれれ?

1984はその書かれた当時から見る近未来で、21世紀に生きる私たちにとっては過去の話になります。ちなみに私はまだ生まれていません。
しかし、この当時からしてみれば「ありそうな未来」であり、「そうなってもおかしくない」事象なわけです。私たちから見るドラえもんの世界観と同じですね。
そう考えると少しゾッとするんですよね。もしかしたら全体主義国家が世界を支配してる世界線に、私は生まれていたかもしれないんですよ。そして戦争している状態が平和だと思い込まされていたかもしれません。
今この日本という民主主義国家に生まれ、ネット社会の普及によって宗教や思想や主義主張などを自由に取捨選択できて、それらを自分の信念として掲げても許される時代に生きているのって、とても恵まれていることなんだなと思います。

上記で兄貴さんも仰っていましたが、今だんだんと世の中がおかしなことになっている雰囲気がありますね。
日本人の国民性って、全体主義的な統治をするのに適しているんですって。そして今日本人が求めているリーダー像を総合すると、ヒットラーになるらしいですよ。
「2+2=5である」ということが正解だと言わなければならない世界は、もしかしたらもうすぐそこまで迫ってきているかもしれません。

私はこの時代の、この日本という国で、1984を上演することはとても意味があることだと思います。
もし「2+2=5である」と決まった時に、何もない状態で私たちはおかしいと声を上げられるでしょうか。
幸いなことに私たちは、弾圧される恐怖がない世の中で、芸術という手段で、そのおかしさに向き合うことができるのです。

普段思想だとか、政治のこととか考えないという人が、考えるきっかけとなる作品を創れたらいいなと思っております。

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